債務整理を検討中の方にまずは確認してほしいことがあります。それは・・・
平成18年(2006年)以前に借り入れをしたことがあるかどうか?
についてです。
もし、上記以前から借り入れがあるようであれば、状況によっては「払い過ぎた利息を取り戻せる」
→これが「過払い金」
がある契約かもしれません。
上記に該当する方は「お金が戻ってくる」可能性があります。
具体的には、どういったことか?についてはこの後お伝えしますね。
過払い金の特徴について
借入れた元本に対して、利息を払っていくわけですが、その利息にも適正な利率というのがあります。
→利息制限法 といいます。
ちなみに、この利息制限法で上限とされる利率は下記の通りです。
元本10万円未満 | 年利20% |
元本10万円以上100万円未満 | 年利18% |
元本100万円以上 | 年利15% |
要は、上記以上の利息を払っている契約については
- 払い過ぎとみなされ、払い過ぎた分を債権者(金融機関)から返金請求ができる
- 上記以上の利息で取引した場合には、金融機関に罰則規定が設けられている
という風になりました。→平成18年12月(2006年)~利息制限法の改定による
まとめると、
現在の段階で、年利20%以上の利息を払っている方は、払い過ぎた利息分を取り戻せる可能性がある
ということです。
現在ないし、過去に借り入れをされたことがある方は今一度、
- 借入れた時期が平成18年(2006年)以前の契約はないか?
- 現在の支払利息が年利20%を超えるものはないか?
を確認してみてください。
もし、該当する契約があれば、場合によっては過払い金として払い過ぎた分の利息が「戻ってくる」可能性があります。→戻ってくる金額があれば、借金自体は減ることになりますね。
これが「過払い金請求」という手続きになります。
もし、過払い金があるようであればどうすべきか?
- 借入れた時期が平成18年(2006年)以前の契約はないか?
- 現在の支払利息が年利20%を超えるものはないか?
について、該当しそうだ!となった場合は「過払い金がある」可能性があります。
その場合は、どうするか?について言いますと・・・
利息制限法上の上限利率で計算しなおすという「引き直し計算」を行う必要があります。
これによって、金融機関に過払い金として請求できる可能性があるかどうか?がわかる計算になります。
実際の引き直し計算ですが、個人で行うのは慣れない作業となりますし非常に大変のようですので、こういったときには専門の弁護士などに依頼するのが正確で、一番手っ取り早いかと思います。
過払い金請求をした場合のメリットデメリットは
何事にもメリットデメリットがあります。
過払い金を請求する際にも、同様のことが言えます。
過払い金請求を行うことによってのメリット
- 過去の契約で、払い過ぎた利息を取り戻すことができる。
- 利息を取り戻したことによって、全体の借金返済額が少なくなる。
のメリットがあります。
また過払い金は、実際に債権者(金融機関)などに連絡を取りつつ必要書類を集めたりする手続きが必要です。
また、債務者が実施することはできないことはないですが、債務者自身が債権者に連絡を取ったとしても必要書類を用意してもらう優先順位は、弁護士や司法書士の後になるケースが多いようです。
また金利の引き直し計算は、ご自身でネット上で出ているシートで計算することも可能ですが、
- きちんと正確に計算できているかどうか?
- 計算が面倒
等の理由から、この点においては専門家の力を借りたほうが確実で手間と時間が省けます。
なので、早急に確実に過払い金請求をする場合には、弁護士や司法書士などの士業に依頼して行うことをお勧めいたします。
過払い金請求を行うことによってのデメリットは?
- 過払い金請求をした金融機関からは、新たな借入はできない。
- 過払い金請求をした際に、まだ返済がある場合には「事故情報」として信用機関に掲載される。
- 弁護士等の士業に依頼した場合には、費用が発生する。
等がデメリットとして挙げられます。
特に、現在返済中の方はご注意なさった方がいいですし、こういった点も含め専門家に話を聞いてみるといいかもしれません。
過払い金請求のメリットデメリットをまとめると
メリット | デメリット |
|
|
一見、払い過ぎた分が戻ってくる という点では非常にいい制度ではありますが、現在進行形で借り入れの返済中の方などがそれを適用するのは躊躇してしまいます・・・
しかしながら、そういったことを踏まえ、弁護士に相談をしてみると場合によってはいいアイデアが頂けるかもしれませんね。
過払い金請求を受け付けられないケースがある
過払い金があり、請求できる場合においても実は注意点があります。
- 過払い金請求には時効が10年間であるために、それを超えている場合
- 過払い金請求にあたり、対象となる金融機関が破たんしている場合
いずれの場合も過払い金請求が難しくなるケースです。
1.過払い金請求には時効がある
過払い金請求できる契約がある!
とわかっていざ手続きをしようにも、最終返済日から10年を経過したら時効が成立
という規定があります。
具体的には「最後に返済した日から10年経過」後に過払い金の存在を知ったとしても、過払い金請求はできないということです。
よって、過払い金請求には時効がありますので、時効により期限切れとなることがないように、該当する契約があればお早めに手続きを進めたほうがいいですよ。
2.金融機関が破たんしていた場合
過払い金請求には、事前に書類を債権者である金融機関などに用意してもらいます。
ところが、その時点で該当する金融機関が破たんしていて存在していなかった場合には、いくら過払い金請求をしようにもできない状況にあるのは、明らかなことです。
利息制限法の改正などがありましたので、貸金業者にとっては逆風な制度ですからすでにその貸金業者や金融機関が破たんしやすい環境であります。
今一度、該当する過払い金請求ができる契約がありそうであれば
- 最終弁済日からの経過時間が10年以内であること
- 貸金業者や金融機関が破たんしていないこと
を確認をする必要がありますね。
過払い金請求の実際の手続きはどうする?
過払い金請求を実施することによって、メリットもデメリットも両側面あることをご認識いただけたでしょうか。
そのうえで、実際に過払い金請求
を行おうと思った場合、まず弁護士等に相談するわけですが、その際に必要な事項についてここではまとめてみます。
過払い金請求にあたり、弁護士等に相談する際に必要な書類など
- 金融機関や貸金業者との契約書
- 金融機関や貸金業者との取引履歴
- 印鑑
- 身分証明書(運転免許証や保険証)
などを用意してもらえば、弁護士等との打ち合わせの際には話が進みやすいと思います。
再度申し上げますと、過払い金請求の場合は債務者個人で手続きを行おうと思えば行えないことはないです。
しかしながら、結論から言えば弁護士等の士業に依頼したほうがいいです。
その理由としては、
- きちんと正確に計算(引き直し計算)をし直す必要がある。
- 債務者自身が手続きをしようとすれば、慣れない作業で時間を要してしまう。
- 手続きやスピード感も含め、弁護士等の士業の方が長けている。
ということで、弁護士等費用は掛かりますが、早期に確実に過払い金を取り戻そうと思っている方は、弁護士等に任せるべきであります。